◆明日へ広がれ!お米のエサ!
飼料用米フォーラムを開催しました。

 

2010年2月6日(土)パシフィコ横浜 アネックスホールで「明日へ広がれ!お米のエサ!飼料用米フォーラム」を開催しました。当日は、飼料用米の取組みを推進してきた生産者、生活クラブ組合員、関係者合わせて約800人の参加がありました。

 

★飼料用米で国内自給力を高めたい★

国内自給率40%の日本。国際的に穀物需給は逼迫し、食料確保が不安定となり、自給力の低さがもたらす問題は山積しています。日本の米の消費は減り、減反も進み、一方で、畜産飼料は海外への依存度が高いという状況です。
そのような中、2004年から山形県庄内地方にある㈱平田牧場、JA庄内みどり、遊佐町共同開発米部会などの提携生産者と生活クラブ生協で、「米農家が飼料用米を栽培し、飼料会社で飼料化し、畜産生産者が豚に与え、その豚肉を生活クラブ組合員が食べる」という一環した国内自給力向上の先駆的なモデルをつくってきました。
今回のフォーラムでは、庄内地区飼料用米生産利用拡大推進協議会と、飼料用米の取組みを推進してきた生産者と生活クラブ神奈川が共催し、これまでの取組みを知ってもらいさらに広げて国内自給力を高めていくことを目的に開催しました。


大ぜいの参加で開催されたフォーラム

 

★連合会会長 加藤好一氏による基調講演★

―組合員の食べる力があってこそ実現できた飼料用米へのチャレンジ―

最初に生活クラブ連合会会長 加藤好一氏から『生活クラブ飼料用米取り組み5ヵ年の実践と課題』をテーマに基調講演がありました。「生活クラブでは米、牛乳、豚肉、牛肉、鶏肉、鶏卵を主要な取り組み品目として利用を高めてきました。作ったお米をちゃんと食べることを約束する年間予約登録を基本とすることで安定した生産を支えています。遊佐のお米と平田牧場の豚肉の組合員の利用が高いこと、おおぜいの食べる力があって飼料用米のチャレンジを成功させることができています」と、予約共同購入の組合員よる食べる力があってこそ実現できた飼料用米へのチャレンジであることを強調しました。「コスト・保管・流通など課題はありますが、飼料用米の取組みは、日本の食料(飼料)自給力の向上、食料の安全保障のキイとなる『新たな作物』です」と述べました。

 


生活クラブ生協連合会 会長加藤好一氏

 

★飼料用米でつながり合う思いを共有★

次に、山形大学農学部教授の小沢亙さんをコーディネーターに、飼料用米を「作る人=飼料用米生産者」「使う人=畜産生産者」「食べる人=組合員」それぞれの立場から飼料用米に対する思いを話されました。
飼料用米生産者のJA庄内みどりの今野進さんは、「隣町には平田牧場という豚の生産者がいて、さらにその2つの生産者に共通した生活クラブという都会の大きな組織があります。作る人、使う人、食べる人の三者が共通の認識を持っているということは本当に幸せ」、JA加美よつば(飼料用米生産者)の後藤利雄さんは「30年の生活クラブとの提携があったからこそ。自給力向上をテーマに飼料用米づくりに取り組んでいます」と話されました。
畜産生産者の㈱平田牧場(豚肉生産者)の斉藤昇さんは「今、人口問題、水問題など考えると食糧問題は大変深刻です。その中で、作る人・使う人・食べる人が一体になって『日本のモデルとなろう』と取り組んできました」、栃木県開拓農協(牛肉生産者)の加藤効示さんは「耕畜連携・循環型農業をめざしスタート。毎日飼料用米を食べている牛は、その後に飼料用米がもらえるのが分かるので、食べずにお米がもらえるのを待っているほど嗜好性が良いことがわかりました。食味についても好評です」、㈱秋川牧園(鶏肉生産者)の秋川正さん「養鶏生産者にとって鶏糞をどう処理するかはそれまで大きな課題。しかし多収をめざす飼料用米はたくさんの窒素分が必要で今では窒素分が多い鶏糞が足りなくなるかもしれない状況です」。
生活クラブの組合員である桜井薫さんからも、「美しい水田風景を残したい人もいます。自給率を上げたいと思う人もいます。飼料用米についてそれぞれ自分が感じることを言葉にして広めていきましょう」と組合員としての思いを伝えました。そして農林水産省の小林博行さんからも「日本の食料自給率は先進国で最下位。平成19年、トウモロコシ価格の高騰で畜産農家は困っている。日本でも米が豊作で暴落。日本の水田は余っている。とても変な状況になっている。農林水産省は政策を転換し飼料用米に着手し始めている。『食べることで政策を支える』ということを消費者の皆さんに伝えることが重要」と飼料用米取組みの重要性について語りました。

 

 

 パネルディスカッション後には、会場ロビーで、飼料用米で育てられた畜産物の試食や栽培・生産に関する各生産者の展示コーナーが設けられ大盛況でした。
これまでの生産者と生活クラブとの長きに渡る信頼関係に基づく提携の歴史が、飼料用米の取り組みを具体化し減反解消という国の政策をも変える力となったこと、そして、これからも「つくる人、使う人、食べる人」が一体となって国内農業・国内自給力向上への取組みを発展させていくことを確認できたフォーラムでした。

 


にぎわう試食コーナー

 


展示コーナーで説明する生産者

 

●開催概要●
*日時:2010年2月6日(土) 13:00~16:45
*場所:パシフィコ横浜 アネックスホール
*主催:庄内地区飼料用米生産利用拡大推進協議会
*共催:生活クラブ生活協同組合
*協賛:栃木県開拓農協・(有)鹿川グリーンファーム
    (株)秋川牧園・全農チキンフーズ(株)
*プログラム:
第1部 基調講演
「生活クラブ飼料用米取組みの5ヵ年の実践と課題」
パネルディスカッション
「飼料用米をつくる人、使う人、食べる人が一体となって、
国内自給力向上ならび国内農業を発展させよう」
第2部 試食交流会
*参加者:生活クラブ組合員、生産者、その他関係者、約800人

 

●飼料用米とは●
飼料用米とは、国内自給力の向上をすすめるモデルとして減反田に飼料用のお米として栽培し、家畜に輸入トウモロコシの替わりに飼料として与えるお米のことです。飼料用米を作り、利用することは田んぼの有効利用につながり、お米を混ぜた飼料を食べた畜産物の品質向上にも繋がると高い評価を得ています。さらに、輸入飼料の割合が減少することで、国内自給率アップにつながるとされており、今、注目を浴びています。

 

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